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2-5 スピーカーの値段(入門からハイエンドまで)


スピーカーの値段は、上から下まであります。手軽に買えるものから、家が一軒買えるような値段のものまで存在します。

では、「趣味として本格的にオーディオをやる」という目的に対して、どんな金額のスピーカーが市場には存在するのでしょうか。また、ハイエンドスピーカーとして知られる極めて高価な価格のスピーカーは、どんな方が使っているのでしょうか。
オーディオ歴15年の私が、様々な人と交流をして感じた肌感覚をもって、説明していきたいと思います。


価格帯は、以下の7つに分類しました。2021年8月時点の価格を参考にしています。

完全に私の主観に基づくものなので、違う考えを持つ方も多いかもしれませんが、このように分類することで分かりやすくなると思い提示させて頂きます。

 ・低価格帯(ペア5万円未満)
 ・本格派エントリー(ペア5〜12万円)
 ・中堅(ペア12〜60万円)
 ・高級(ペア60〜120万円)
 ・ハイエンドエントリー(ペア120〜400万円)
 ・ミドルハイエンド(ペア400〜1000万円)
 ・ウルトラハイエンド(ペア1000万円〜)




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低価格帯(ペア5万円未満)

手軽に据え置きオーディオを初めたい人に、オススメの価格帯。
クオリティを考えるとコストの制約を感じざるをえませんが、DALIなどの低価格帯に強いメーカーのを選べばしっかりとした音を楽しめるでしょう。
また、FOSTEXのスピーカーユニットなどを使った自作で、コストパフォーマンスを追求してみるのも一興です。
   
<左>DALI SPEKTOR2(実売ペア3.5万円)リンク
<右>FOSTEX P804-S (実売ペア2.0万円)リンク



FOSTEX P1000-BH(箱)、P1000K(ユニット) (定価ペア2.1万円)リンク


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本格派エントリー(ペア5〜12万円)

本格オーディオを初めるに当たっては、やはりこのぐらいの予算をスピーカーに奢りたいところ。予算が厳しければ、アンプは小型安価なものを使い、スピーカーに予算を割り振るのも良いでしょう。スピーカーは滅多に壊れないので、良いものを選んでおきたいところです。

この価格帯の良さは、メーカー各社がラインナップを揃えているところです。予算の制約をそれほど感じずに好みの製品を選ぶことができるのは、大きな楽しみだといえます

また、ラインナップが厚いメーカーであれば最安価ラインの一つ上のグレードを狙うこともでき、中身も外観も本格オーディオと呼ぶに相応しい製品が手に入れられるでしょう。
都市部にあるヨドバシカメラでは、この価格帯の製品を試聴しやすい環境が整っています。量販店ならではの気軽な試聴ができるので、足を運んでみてはいかがでしょうか。


 

<右>KEF Q350(実売ペア7万円)リンク
<左>DALI OBERON3(実売ペア8万円)リンク


   

<左>B&W 607 S2 Anniversary Edition(実売ペア9万円)リンク
<右>イクリプス TD508MK3(実売ペア12万円)リンク


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中堅(ペア12〜60万円)

拘りの逸品が手に入る予算。ハイエンドに通ずるノウハウを活かした、確かなモノ作りを感じさせる製品も多くなってきます。

オーディオマニアでもこの価格帯のスピーカーを使っている人は多くおり、嗜好品として高い満足感が得られる製品が沢山あります。量販店に並ぶ製品だけでなく、小規模メーカーのハンドメイド品も、この価格であれば設計者の拘りを存分に反映することができます。

また、アンプなどの上流系の性能差、使いこなしのテクニックにも敏感に反応するクオリティを持つものも少なくありません。お気に入りの一品が見つかったら、じっくりと腰を据えて高音質を探求したいですね。

試聴はヨドバシカメラのような家電量販店だけでなく、オーディオ専門店でも良いでしょう。専門店の落ち着いた環境でじっくり試聴をして、お気に入りの一品を見つけましょう。


  

<左>KEF R3(実売ペア30万円) リンク
<右>B&W 705S2 (実売ペア32万円) リンク

   

<左>KRIPTON KX-5PX(公式通販ペア50万円)リンク
<右>オーディフィル SOLA Mk2(定価ペア36万円)リンク


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高級(ペア60〜120万円)

ハイエンドにも肩を並べる実力を備えたモデルが出てくる価格帯。しかしながら、製品サイズなどの使い勝手の面ではハイエンドより優れた特徴を持つ製品も多くあります。

オーディオマニアにとっても憧れの価格帯ですが、単に音楽を良い音で聴きたいという懐に余裕のある人々の需要も捉えているケースも多いようです。より多くの人がターゲットとなる背景もあってか、コストパフォーマンスに基づく高い性能をもつケースが多いのも魅力です。

比較的広い空間で鳴らしたい大型モデルも、この価格帯であれば質感も含めて高度に両立できます。また、小型モデルであれば、トップエンドの製品が手に入ると言っても過言ではありません。

この価格帯は、多くのオーディオ専門店が販売に力を入れています。開封・設置作業などをサービスしている店舗であれば、大型スピーカーでも安心ですね。

 

<左>タンノイ Turnberry/GR(実売ペア85万円)リンク
<右>JBL 4349 (公式通販ペア88万円)リンク




<左>PIEGA Coax 311(定価ペア100万円)リンク
<右>B&W 805D3 (定価ペア100万円)リンク


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ハイエンドエントリー(ペア120〜400万円)

予算の制約を廃したのがハイエンドの世界。その中でも、この価格帯は手が届きやすいとも言えるでしょう。

自動車と同じ価格帯とも言うことができ、サラリーマンであっても日々の貯蓄や退職金などを元手に購入を決意する人も多いようです。そのため、市場流通も比較的豊富であり、定価の6割程度の価格で中古品に遭遇できるチャンスも多くあります。

この価格帯のスピーカーの実力をフルに発揮させたいのであれば、上流系の吟味だけではなく、それを鳴らす部屋の特別なケア、つまりリスニングルームの施工も視野に入れても良いでしょう。(実際は一般的な部屋で鳴らしているケースも多い。)自動車のように維持費がかかる訳ではありませんが、スピーカーだけではシステム完結しないのは覚えておきたいところです。

この価格帯になると、外観も精巧な仕上げが施されている製品が多く、趣味性が高まる一方で、コストパフォーマンスで語ることが難しくなってきます。趣味嗜好の究極形が、ハイエンドオーディオと言えるでしょう。

    
<左>TAD E1TX(定価ペア250万円)リンク
<右>ソナス・ファベール Serafino TRADITION(定価ペア290万円)リンク

 

<左>B&W 803D3 (定価ペア320万円)リンク
<右>JBL K2 S9900 (定価ペア400万円)リンク


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ミドルハイエンド(ペア400〜1000万円)

ハイエンドの中でも、その中核を占めるのがこの価格帯。ハイエンドスピーカーを専門に手がける海外メーカーが集います。

私の知る限りでは、かなり収入に余裕のあるオーディオマニアが購入していることが多いように感じています。高級車と同じ価格帯ですが、スピーカーだけ揃えれば良いという訳ではないのは先に述べた通り。この価格帯から、拘りのある専用のリスニングルームに設置されているケースが多くなってきます。

購入する層が限られることもあり、その魅力をコストパフォーマンスで語ること困難です。800万円のスピーカーは80万円のものと10倍の性能差があるとは言い難いと私は考えています。僅かな違いにどこまで投資をするかは個人に委ねられるところです。

しかしながら、一切の乱れをみせない緻密な音は、音そのものに感動すら覚える魅力があります。せひ一度体感してみて頂きたいと思います。


  

<左>ソナス・ファベール Il Cremonese (定価ペア600万円)リンク
<右>VIVID AUDIO GIYA G2-S2 EX(定価ペア650万円)リンク



  アヴァンギャルド TRIO XD (定価ペア770万円)リンク




<左>AVALON Precision Monitor 4(定価ペア830万円)リンク
<右>マジコ M2(定価ペア1000万円)リンク


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ウルトラハイエンド(ペア1000万円〜)

日本ではお目にかかることが難しい価格帯。さらに2000万円を越えてくると、年間の販売台数も日本では数えるほどのようです。

オーディオマニアというより、世界の富裕層が購入することで市場が形成されているという見方もあります。世界的に貧富の差が広がる影響もあってか、日本円で5000万円を超えるスピーカーも登場してきています。また、本体サイズも海外住宅に適した巨大なものが多いのが特徴です。

車にも「フェラーリ」や「ランボルギーニ」、さらには巨額の開発費をもって作られる「F1車両」があります。それらが私たちの移動の足として魅力があるとは一概には言えませんが、一つの究極形であるのは間違いありません。

東京で毎年秋に開かれる「インターナショナルオーディオショウ」で聴けることを楽しみにしましょう。


  

<左>アヴァロン 「Saga」(定価ペア2000万円)リンク
<右>マジコ M6(定価ペア2600万円)リンク


  

<左>MARTEN MINGUS ORCHESTRA(定価ペア3200万円)リンク
<右>YG ACOUSTICS Sonja XV(定価ペア3900万円)リンク

  

HIRO Acoustic Laboratory MODEL-C4 CS (定価ペア5000万円)リンク
ウィルソンオーディオ CHRONOSONIC XVX(定価ペア7100万円)リンク



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まとめ

スピーカーには様々な価格帯があります。どの価格帯も、オーディオを楽しむことができ、趣味として等しく扱われるべきでしょう。
また、ビンテージや自作など、価格では表せない楽しみをしている方も多くいらっしゃいます。

全体像を把握したうえで、自分にあった納得のいくスピーカー選びの手掛かりになれば幸いです。



 

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