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第01回 インシュレーターの効果を測定するために

 インシュレーターは、オーディオでよく使われる音質改善アイテムの一つです。スピーカーのように実際に大きく振動する機材の下に使うだけでなく、CDプレーヤーやアンプ、さらにはケーブルなど、殆ど振動していることが分からないような機材に対しても有効とされています。

 <インシュレーターの基本>
 超初心者のための「インシュレーターって何?」 | Denon 公式ブログ

 一方で、インシュレーターの効果が実際にあるのかは懐疑的な見方をする意見もあります。それは、スピーカーの周波数特性でインシュレーターの有無による違いを測定しても、その効果を確認することは極めて困難だったからです。

 一般的な測定で行われる「スピーカーの周波数特性」は、スピーカーから再生される各周波数の音の強弱を評価する手法です。聴感での印象との相関が確認できている手法ですが、この周波数特性が殆ど同一である2つの比較において、明らかに音の印象が変わるという場面にはしばしば出くわします。インシュレーターによる音の変化もその一つです。

 こうした音の変化の原因は、スピーカー本体の微弱な振動によるものではないかと私は考えています。
 スピーカー本体、とくにキャビネットやエンクロージュアと呼ばれる部分は、スピーカーから音が出るときに微弱な振動をします。一般的に「箱鳴り」として知られる現象で、それが再生音に若干の変化をもたらされますが、一般的な周波数特性の測定方法(スピーカーからスイープ波を再生して、マイクで測定する方法)ではこの差異は隠れてしまいます。しかしながら、こうしたスピーカーキャビネットの振動は高い共振先鋭度Qを持ち、人間の耳には感知しやすい違いとして現れます。

 そこで今回は、インシュレーターによるスピーカーキャビネット振動の差異を評価するために、スピーカー本体を叩いたときの音が、インシュレーターの有無により変化するかを評価しました。


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評価方法の概要

 スピーカーキャビネット振動を評価するために、スピーカーを叩いたときの音を測定することにしました。叩くのに使ったのは鈴木楽器製のマレット「SP-170」で、比較的柔らかめの硬度60°のゴム球が先端に取り付けられています。叩いたときの音を、Dayton Audio EMM-6のマイクで収録し、ソフトWaveSpectraでFFT解析を行いました。

 測定は、次の①~③の条件で行い、それぞれインシュレーターの有無を比較しました。

  インシュレーターの測定01
  測定① 本体側面を叩く(1)

  インシュレーターの測定02
  測定② 本体側面を叩く(2)

  インシュレーターの測定03
  測定③ フロントバッフルを叩く



 個々の測定結果は、次回以降に掲載します。

~続く~

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