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第14回 Fostex FE126E搭載バックロードSPの設計コンセプトと図面


 二種類のホーン長を比較できるバックロードホーン型スピーカー「S-041」は、FostexのFE126Eを使いました。FE126Eは、現行のFE126NV2の先代にあたるモデルで、バックロードホーンで使える駆動力をもつコストパフォーマンスに優れたユニットです。
 16cmよりリーズナブルで、10cmより余裕のあるサウンドの特徴は、最新のFE126NV2にも引き継がれていますので、Fostexの「126シリーズ」はバックロードホーン入門用にオススメです。

    FE126E搭載バックロードホーンS-041、中央部 FE126E搭載バックロードホーンS-041、全体

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設計コンセプト ~実験的要素を組み込んだBH~

 「S-041」は、実験的な要素を可能な限り組み込んだ作例です。バックロードホーンで重要な【スピーカーユニット】【空気室容量】【ホーン長】の3要素を変更でき、それぞれの音を聴くことができるように設計しました。
 スピーカーユニットは、「Fostex FE126E」のほか、「Fostex FE168EΣ」、さらには「TangBand w3-582sc」、そして「ParcAudio DCU-F121P」の4種類を使えるようにしました。口径も素材も、推奨用途も異なるユニットをバックロードホーンに入れて試すことができます。

   バックロードホーンS-041の空気室


 空気室は、上の写真では「Fostex FE126E(白)」が入った2.7Lのものと、「ParcAudio DCU-F121P(黒)」が入った1.9Lのものを用意しています。前から見た面積は同一ですが、奥行きが違うのが分かるでしょうか。


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設計概要

 FE126Eの振動板半径は46mmなので、振動板面積は約66.5cm2といった所でしょうか。スロート断面積は、振動板面積の約74%の面積になるように設定しました。長岡先生の作例を含む一般的なバックロードホーンが80%程度の値をとるのに対して、やや小さめの面積ですが一般的な設計の範囲にははいっているといえます。
 FE126E搭載バックロードホーンの音道

 ホーンの広がりは、エクスポネンシャル曲線にあう形にしました。前半の音道は、130cmまで。後半の音道を組みあわせると、255cm程度のホーン長になります。

 ホーンの広げ方は、広がり係数m=0.8になるように設定しています。この値より大きくなると量感重視、この値より小さいと帯域重視といった印象です。今回はオーソドックスなホーン広がり率を採用しました。

 スロートからの距離と、実際の断面積は下記のとおりです。下記の設計図面と照らし合わせながら見て頂くのが良いと思います。

FE126E搭載バックロードホーンの断面積


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設計図面

 「S-041」の設計図面を掲載します。
 FE126E搭載バックロードホーンS-041の設計図面1
FE126E搭載バックロードホーンS-041の設計図面2
FE126E搭載バックロードホーンS-041の設計図面3FE126E搭載バックロードホーンS-041の設計図面4
FE126E搭載バックロードホーンS-041の設計図面5


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組立の様子

 部品点数が多い「S-041」ですが、中央と左右に構造が分かれているので、比較的作りやすいと思います。ハタガネ(F字クランプ)は、少なくとも4本用意しておくと良いでしょう。

 FE126E搭載バックロードホーンS-041の空気室 FE126E搭載バックロードホーンS-041の内部構造

 F字クランプと錘を使って、接着を行いました。
 FE126E搭載バックロードホーンS-041の組み立て

 こちらは、左右のパーツ。
 FE126E搭載バックロードホーンS-041の組み立て2


 完成するとこんな感じです。
   FE126E搭載バックロードホーンS-041のホーン開口部 FE126E搭載バックロードホーンS-041の全体


~続く~

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