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第04回 バッフル面へのインシュレーターの効果

 ここまでは一番振動しやすいであろうスピーカー側面を叩いて、インシュレーターの効果を評価してきました。一方で実際のスピーカーでは、フロントバッフル、すなわちスピーカーユニットが固定されており、リスナーと対面している面の振動も重要であると考えられています。

 そこで今回は、以下の写真のようにフロントバッフルを叩き、インシュレーターの有無による違いを評価してみました。測定①と同じように、インシュレーターは本体底面のクッション足を避けるように設置しています。

  
  測定の様子

 
  測定③ : インシュレーター無し(左)と、インシュレーターあり(右)

   
   評価に使用したインシュレーター
   「オーディフィル インシュレーターKOTUBU」
   販売ページはこちら



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測定結果

 フロントバッフルをコンコンと叩き、その音の周波数特性を以下に載せます。測定はそれぞれ4回(インシュレーターの有無で計8回)行い、以下に代表的なデータを載せます。


  
  インシュレーターなし

  
  インシュレーターあり


 まず100Hz付近の低音域の2つのピーク強度が、インシュレーターの有無によって変わることが分かります。具体的に何の振動が変わったかを推測するのは難しいのですが、再現良くインシュレーターの有無による差を測定することが出来ました。

 他にも、350Hz付近のピークの有無、550Hz付近のピークの鋭さで、インシュレーターの差を確認することができます。前回までの2回の測定とは異なり、複数の帯域で変化があったことがうかがえる結果が得られました。バッフル面は単純な平面ではなく、音の出るスピーカーユニットを入れる穴や、バスレフダクト、さらにはユニット自身の振動系も含めた複雑な構造をしています。これら全てが素材や構造に基づく振動特性をもっており、インシュレーターの影響を受けるものと考えています。


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まとめ

 スピーカーエンクロージュア(キャビネット)を直接叩くことで、インシュレーターの有無による差を明確に測定することができました。これらの結果は、今回使用した「オーディフィル インシュレーターKOTUBU」の性能を測るためのデータではなく、インシュレーターという異なる素材を挿入することによる変化として認識頂ければ幸いです。

 音と振動は密接な関係があり、それが音楽を心地よく聴かせるかどうかに大きな影響があります。しかし、どのような振動特性が望ましいかは、まだまだ未解明な部分があると考えています。インシュレーターは時としてオカルト扱いされてしまうアイテムですが、今回の測定結果を発端として様々な測定や科学的な検証が生まれてくることを願っています。


  測定で探るインシュレーターの効果 ~完~

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