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バックロードホーン型スピーカーの特性~その6~

前回紹介したFE168SS-HP向けバックロードホーン箱について、その設計手順を説明します。

 Fostex FE168SS-HP搭載バックロードホーン S-076  S-076


まず、バックロードホーンを考えるときは、「ホーンの広がり係数(広がり率)」と「スロート断面積」、そして「音道の長さ」の3点が重要になります。この二つが決まれば、自ずとバックロードホーン全体の設計が決まります。


<ホーンの広がり係数>

ホーンの広がり係数について、下記のグラフを用意しました。

 エクスポネンシャルホーン

これは、広がり係数が異なるエクスポネンシャル曲線です。エクスポネンシャル曲線は、広がる割合が一定の曲線であり、最も基本的なホーン形状になります。

(なお、この広がり係数は、長岡先生の書籍にある値と若干異なります。詳細は、こちらのページで解説しています。)

広がり係数mが大きいほど、ホーンが急に広がっていることが分かると思います。それと同時に、ホーンの低域下限となるカットオフ周波数fcも上がっていきます。

低温量感を重視のバックロードホーンであれば、m=0.8程度がおすすめです。ホーンカットオフ周波数fcは計算では22Hz。実際はその倍の44Hzまでの低音再生が担保できるホーンになるでしょう。今回のS-076も、0.8の値を採用しました。

Fostex FE168SS-HP搭載バックロードホーン S-076の設計
※PCの方は、画像の上で右クリック →「新しいタブで画像を開く」で拡大画像を見られます。


<スロート断面積>

次に決めるのは、スロート断面積(S0)です。これは、ホーンの入り口、つまりユニットが入っている空気室につながる場所の面積のことです。

このS-076では長岡鉄男先生の推奨値に近い、ユニットの振動板面積(Sd)の80%の面積にしました。これが50%近くになってしまうと窮屈な音になってしまいますし、100%を超えてくるとホーンから余計な音が漏れやすくなってくる印象があるためです。

特に、この「ホーンの広がり係数」と「スロート断面積」で、ホーン全体のサイズが大きく変わってきてしまうため、最終的なスピーカーのサイズをイメージしながら慎重に決めていきます。


<ホーンの長さ>

ホーンの長さは、広がり係数と同じく、バックロードホーン型スピーカーの低域再生下限とサイズを決める重要な因子になります。

ホーンの長さをxとしたとき、そこで起こる共鳴周波数frは次の式で表されます。

fr=(340÷x)÷4

このfrは、スピーカーユニットの最低共振周波数f0(fs)より下に設定します。今回使ったFE168SS-HPはf0=54Hzのため、S-076ではfr=50Hzになる、ホーン長1.7mに設定しました。

長岡鉄男先生のスピーカーは、ホーン長が2.5m前後と比較的長めに設定されています。3m前後までであれば、ホーンが長くなることによる低域遅れは気にならずに済むので、2.5mは全く問題がない範囲だと考えています。ホーンは出口になればなるほど大きく広がるので、スピーカー全体のサイズが許すのであれば長いホーンに挑戦してみるのもよいでしょう。


~続く~


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